言葉足らずの頑張らないブログ

精神科の看護師で筋肉大好きな自分の看護師ライフや筋トレなどなどについて語ります!

依存の現実

つい最近、薬物のニュースがいくつか立て続けにあり、一方では薬物にどっぷり浸かっていた人が前に進むニュースもあったので良い機会かと思って書きます。

 

とりあえず、物質依存について

「体内に取り入れた何らかの物質が脳の中枢神経に作用し、慢性的な摂取が続いたことにより『やめようとしてもやめられなくなった』状態

※一部抜粋した文章です

となっております。

 

そもそも話題に上がる依存についてよく理解している人はどれだけいるのか…

状態を示す言葉にいくつか用語が存在していることはご存知でしょうか。

「薬物乱用」

「薬物依存」

「薬物中毒」

とまあ、3つあるのですが

ニュースなどでよく耳にする言葉かもしれません。

ただ、この3つの言葉、それぞれ意味は異なります。

 

薬物乱用・・・社会的規範(ルールや文化)から逸脱した方法で薬物を使用すること

薬物依存・・・乱用を繰り返した結果、使用をやめようと思っても脳の異常により、摂取を渇望する衝動を自己コントロールが出来ず乱用やめられない状態

薬物中毒・・・依存によって繰り返される乱用の結果、精神疾患の発病や生命の危機に陥る状態

→急性中毒と慢性中毒がありますがここでは省略

 

ざっくりとした説明ではこんな感じです。

 

そして、薬物依存については身体依存と精神依存という形に分けて考えることが出来ます。

身体依存

アルコールを摂取すると、最初は少量でも酩酊しますが、耐性が出てくることで摂取量が増加していきます。また、摂取頻度も増えていきます。このように慢性的にアルコールを摂取することが繰り返された上で、摂取が困難な状況になった時、手の震えと言った離脱症状が出現する状態を言います。

精神依存

渇望(薬物を求める気持ち)に抗うことが出来ず、自制(コントロール)が効かなくなる状態を言います。

 

基本的には身体依存に陥る場合とそうでない場合があるため、薬物依存についての本質的な状態としては精神依存を指します。

 

そして、これらについては一方向にそれぞれの状態が存在しているのではなく、混在している中でそれぞれが影響し、乱用を繰り返す中で依存の形成がされ、中毒状態を引き起こし、その後も乱用を繰り返すことになるのです。

しかしここで、乱用するほとんどの人が自分自身の薬物使用の問題を認めないものであり、これも依存症の障害特徴と言えます。

 

ここからは個人的な見解になりますが

依存とは前述したように、渇望のコントロールの欠如によるものとして、精神依存状態を指します。

また、乱用する者が問題意識を持たないという事も障害特徴として挙げられていることから

この依存という話は他人事ではないという事が言えると思います。

例にもあげましたが、アルコール、または喫煙があります。僕個人的には世の中は糖依存と考えています。他にも言えますが以下は省略。

 

以上を踏まえて考えると、自分自身の問題と言えるような気がしてならないのと自分は関係ないと言える問題ではないと思っているところです。

そう、問題を引き起こしている人ほどその問題を認識していないのですから。

 

最後に

依存の問題について話題としたために焦点が当たりがちですが、根本的な話の中に孤独というキーワードがあると感じているところであります。

この孤独が様々な問題の火種になる危険因子であり、孤独が寄与する事で問題の悪化を招き、進行の一途を辿る一助となり得るものとも言えるのではないか、孤独にどう立ち向かい、孤独を抱える人々にどのような行動が出来るのか深く深く考える今日この頃です。

また、他人事ではないということを自覚し、向き合うべき問題の一つなのだと感じます。