精神科とはなんぞや パート2 後編
引き続き、看護学生の時の話をします。
晴れて看護師の道を歩むことになりましたが、4年生の大学であるため、精神科についてじっくりと学ぶ機会は学年が進んでくるとやってきました。
1年生。
実習しました。でも、4日間だけ。病院、病棟見学や場の雰囲気になれるため?だったんですかね。
勉強も基礎的な看護の知識、技術と一般教養について学ぶことで過ぎました。
2年生。
実習は2週間に増えました。初めて患者さんを実習の間受け持ち、2年生で学んだ看護過程の展開を基に看護を実施してました。関連図難しい…orz
初めて受け持った患者さんは骨折をした方でリハビリもだいぶ進み、経過も随分時間が経っていたので、話したり病棟内を散歩したり一緒に過ごすことが出来ました。
代わりに提出物が評価されるものに仕上げられていたかは現実を知るのが恐ろしくて、成績も落第していないことだけ確認し、細かくは見ていません。(笑)
勉強も領域別が始まり、それぞれの分野について勉強するようになりグループワークもしました。グループワークは詳しく領域別の疾患について学ぶためです。
この2年生までは、自分が本当に看護師としてやっていけるのか、辞めて他の道を歩むべきなのではないかと考える時期もありました。
なぜなら、自分の性格が短気で人を思いやる精神が備わっていないと感じていたからです。
だからこそ、精神科の勉強をしたとしてもどのような疾患が存在し、治療にはどのような内容があり、看護の実際について知るだけで、漠然としたイメージのままでいました。
3年生。
領域別の実習が始まりました。約半年かけて実習をする4年間の中で一番長い実習期間でしたね。
ここで自分が精神科に進み、精神科のイメージについて自分の中で確立された出来事がありました。
それは、精神科の実習をした時のことです。今勤めている場所で実習をしました。受け持った患者さん(以下Aさんとします)は統合失調症という精神疾患を患っていました。2週間の実習の中で生活能力は特に困難となるものはなく、話すことがメインでした。
話した上での第一印象、めちゃくちゃ優しい。正直、「何なんだ、この人は。なぜこんなに他人に優しくできる。」と感じました。
2週間たっぷりと実習する中で、Aさんは料理が得意で好きな方だったのですが、対人交流が苦手で緊張してしまうことがありました。精神疾患を患っている方はこういったストレスに強くないです。
そのため、プログラムとして行なっている調理にAさんは参加したいと思っていましたが中々参加には結び付かず、自分が付き添って参加することになりました。
参加中、Aさんは他の方と話すことがなく、スタッフとも話せない状況でした。
最初は自分が一緒にスタッフに聴きながら取り組んでいくと作業はスムーズに出来るようになりました。しかし、参加している他の方と話すことはなかったです。少し周りを気にしたり、他の人の方や作業の様子を見ていることがありました。
この時自分はAさんに、「話しかけてみてはどうですか。」と伝えました。
すると、「うーん。」と話すだけで否定も肯定もされませんでした。
そして、任された作業も終わりました。
しかし、周りの人達はまだ作業中です。
Aさんは周りの様子を気にしていました。そこで、迷惑になっても構わないと思った上で自分が他の患者さんに話しかけて作業を手伝うように流れを作り、Aさんと他の患者さんが関わるきっかけを作ってみました。
それからはAさんが自ら話しかけたり率先して作業を手伝うようになりました。
そうして関わっていった2週間も終わりが近づいた頃、Aさんにこんなことを言われました。
「○○くんが居てくれて良かったよ。お陰で調理に参加できたし、他の人と話すことができて楽しかった。本当にありがとう。」と。
この時に看護師になってもいいのかなと自分を認めることが少しできました。
こうして精神科に対するイメージは人の心を通わせ合う医療を行なっている場所だと感じました。
次パートでイメージについてまとめていきたいと思います。